席のみ予約とコース予約の使い分け:飲食店側の視点で整理
日本のネット予約には、他の国にはあまりない独特の区分があります。席のみ予約(席だけを押さえ、料理は当日注文)とコース予約(内容と金額が事前に決まった予約)です。お客様にとっては「とりあえず席だけ」か「宴会コースまで決めるか」の違いですが、お店側から見ると、手数料・キャンセル料・仕込みという3つの面でまったく別物です。
検索すると出てくるのはお客様向けの解説ばかりで、受ける側の視点で整理された情報はほとんどありません。この記事では飲食店側の視点で両者の違いをまとめ、使い分けの基準を整理します。なお、自社の予約ページで両方のタイプを受け付けられる予約システムを使えば、この記事で扱う従量課金の問題はそもそも発生しません。
席のみ予約とコース予約:3つの違い
違い①:グルメサイトの従量課金
グルメサイト経由のネット予約には、来店人数に応じた送客手数料がかかるのが一般的です。たとえば食べログのネット予約は、席のみ・コースを問わず来店人数×ランチ100円・ディナー200円(税抜、2026年9月に公式ページで確認)の従量課金です。サイトやプランによっては、席のみ予約とコース予約で単価や条件が異なる場合もあるため、契約前に必ず確認しましょう。主要サイトの料金体系はグルメサイトの掲載料・送客手数料の比較記事にまとめています。
コース予約は客単価が高いぶん、同じ手数料でも売上に対する比率は下がります。逆に席のみ予約は、注文が少なかった場合でも人数分の手数料がかかる点に注意が必要です。
違い②:キャンセル料の考え方
無断キャンセルが起きたときの損害は、予約タイプで大きく変わります。経済産業省が後援した2018年のNo show対策レポートは、キャンセル料の目安を次のように整理しています(経産省の解説記事)。
- コース予約:コース料金の全額まで(他のお客様に転用できた食材分は差し引く)
- 席のみ予約:平均客単価の5〜7割程度
コース予約は金額が事前に確定しているため、損害の説明もキャンセル料の請求も明確です。席のみ予約は「いくら注文したはずか」を証明しにくく、だからこそ客単価をもとにした目安が使われます。キャンセルポリシーは両タイプで条件を分けて書くのが実務的で、書き方と例文はキャンセルポリシーの書き方の記事で解説しています。
違い③:仕込みとオペレーション
コース予約は、人数・内容・金額が事前に分かるため、仕込みの量もシフトも計画が立てやすく、宴会や記念日など単価の高い需要をつかまえられます。一方で、直前の人数変更やアレルギー対応など、事前のやり取りは増えます。
席のみ予約は、お客様側の心理的ハードルが低く予約が入りやすい反面、注文内容が読めないため、仕込みの精度は上がりません。実態としてはウォークインに近い変動を抱えたまま席だけが埋まっていく、という感覚に近くなります。どちらが良い悪いではなく、性質が違うと理解するのが出発点です。
使い分けの目安
- 宴会・歓送迎会・記念日はコース予約に誘導する。幹事にとっても、予算が確定し、当日の注文の手間が消えるメリットがあります。人数変更の締切日とキャンセル規定をセットで案内しましょう。
- 日常のディナーは席のみ予約で間口を広げる。そのかわり、利用時間(2時間制など)を予約時に明示しておくと、回転の計画が立てやすくなります。
- 席のみ予約からコース予約への転換を仕組みにする。予約ページでコースを選択肢として見せる、前日の確認メールで「当日メニューに迷ったら」とコースを紹介する、といった小さな導線で、客単価と仕込み精度の両方が改善します。
ViteUneTableの予約ページでは、席のみ・コースの選択肢を提示したうえで、キャンセルポリシーを予約時に表示できます。無料プランでも送客手数料は一切かからないため、席のみ予約が増えても従量課金を気にする必要はありません。
よくある質問
席のみ予約にもキャンセル料を請求できますか?
できます。予約時にキャンセルポリシーを明示していることが前提で、金額は平均的な損害の範囲内(目安として客単価の5〜7割程度)に収める必要があります。詳しくはキャンセルポリシーの記事をご覧ください。
コース予約ばかりにすると予約は減りませんか?
減る可能性はあります。コースのみの受付は心理的ハードルが上がるため、日常利用の多い業態では席のみ予約を残し、宴会や週末などの高需要日をコース中心にする、といった組み合わせが現実的です。
席のみ予約とコース予約で手数料は変わりますか?
グルメサイトによります。食べログのネット予約は席のみ・コースとも同じ従量課金ですが(2026年9月確認)、サイトやプランによって条件が異なる場合があります。自社の予約ページ経由なら、どちらのタイプでも手数料はかかりません。
コース予約に事前決済は使えますか?
使えます。コース予約は金額が確定しているため、事前決済やクレジットカードの仮押さえと相性がよく、無断キャンセル対策としても有効です。グルメサイト側でも、食べログがコース予約の事前決済機能を提供するなど、対応は広がっています。
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