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飲食店の人手不足対策:定着・採用・省人化の実践ガイド

執筆者 Ludovic Frank 公開日 読了時間 1 分
少人数で調理と配膳をてきぱきとこなす小さな飲食店の厨房と、パスに置かれたタブレットのイラスト

「求人を出しても応募が来ない」「せっかく採用しても続かない」。帝国データバンクの調査(2026年7月、有効回答1万518社)では、非正社員の人手不足を感じる企業の割合は飲食店が57.7%で業種別トップでした。改善傾向にあるとはいえ、2軒に1軒以上が足りていない計算です。

しかも人手不足は「忙しい」で済む話ではなくなっています。同じ帝国データバンクの集計で、2025年度の人手不足倒産は441件と3年連続で過去最多を更新し、うち飲食店は21件。従業員の退職が引き金になった倒産も初めて100件を超えました。

とはいえ、打てる手がないわけではありません。この記事では、数字で現状を押さえたうえで、定着・採用・省人化の3方向から、小さな店でも今日から始められる対策を整理します。予約対応のような「人がいなくても回せる仕事」は、無料で使える予約システムに任せてしまうのも立派な人手不足対策です。

数字で見る飲食店の人手不足

  • 非正社員の不足割合は飲食店が57.7%で業種別トップ(帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年7月)」)。前年同月からは4.1ポイント改善し、4カ月連続で6割を下回りましたが、依然として全業種で最も高い水準です。
  • 人手不足倒産は2025年度441件で過去最多(前年度の約1.3倍)。飲食店は21件で、業種別の最多記録を更新しました(帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」、2026年4月発表)。
  • 外国人材の入口が細くなりました。 特定技能1号「外食業」は、在留者数が受入れ見込数(5万人)に達する見込みとなったため、2026年4月13日から新規受入れが原則停止されています(農林水産省・出入国在留管理庁、2026年3月27日発表)。すでに在留している人の期間更新や同分野内の転職は対象外です。
  • 人件費は今後も上がります。 2026年度の最低賃金は全国加重平均で時給1,177円、東京都は1,280円(2026年10月1日から順次適用、厚生労働省の地域別最低賃金一覧)。改定は毎年10月なので、来年以降も上昇を前提にした損益計画が必要です。

つまり「募集を増やせば解決する」局面はすでに過ぎていて、辞めない職場をつくる・採用の入口を広げる・そもそも人手のかかる仕事を減らす、の3つを同時に進めるしかありません。

定着:辞めない職場をつくる

新しい1人を採用するより、今いる1人が辞めない方がずっと安上がりです。

  • シフトの納得感を上げる。 希望提出の締切と確定日を固定し、直前の変更を減らすだけで不満はかなり減ります。「休み希望が通らない店」は時給を上げても人が残りません。
  • 時給は最低賃金の後追いではなく先回りで。 10月の改定で地域の相場が一斉に動きます。改定前に自店から動けば、同じ原資でも「上げてくれた店」という印象になります。
  • 社会保険と労働条件を整える。 週の労働時間などの要件を満たすパート・アルバイトには社会保険の適用が必要です。ルールを守っていること自体が、応募者への安心材料になります。
  • 初日の教育を仕組みにする。 「見て覚えて」は最初の1週間の離職を生みます。メニュー表・券面の読み方・電話の受け方を1枚にまとめるだけでも定着率は変わります。

採用:入口を広げる

  • 求人媒体だけに頼らない。 スタッフからの紹介(リファラル)には紹介料を払ってでも価値があります。店頭の貼り紙やInstagramのプロフィールなど、自店のファンに直接届く経路も忘れずに。
  • 時間帯を分解して募集する。 「週5フルタイム」ではなく「金土のディナーだけ」「ランチの2時間だけ」に切り出すと、主婦(夫)・学生・Wワーカーに届きます。
  • シニアと外国人留学生。 特定技能の新規受入れが止まった今、留学生アルバイト(資格外活動、週28時間以内)やシニア採用の重要性が上がっています。在留資格と労働時間の上限だけは必ず確認しましょう。

省人化:人がやらなくていい仕事を減らす

人が足りないなら、人にしかできない仕事(接客と調理)に人を集中させるのが筋です。

  • 電話対応を減らす。 予約の電話は、ピークタイムの接客を中断させる最大の要因です。ネット予約を開けば、営業中も営業時間外も受付が自動で回り、確認の折り返し電話も減ります。ViteUneTableなら**無料プランのまま、手数料0%**でネット予約と予約台帳の一元管理まで使えるので、省人化の第一歩として費用ゼロで試せます。
  • 注文と会計を軽くする。 モバイルオーダーやセルフオーダー、券売機は、ホールの人数を1人減らせる可能性のある投資です。客層と単価に合うかは店によるので、まずはピーク時間帯だけの導入から検討を。
  • 無断キャンセルを減らす。 仕込んだ食材と確保した人員が無駄になる無断キャンセル(ノーショー)は、人手不足の店ほどダメージが大きい問題です。前日のリマインドメールやキャンセルポリシーの明示で、仕組みとして防ぎましょう。
  • 業務の「見える化」で採用のミスマッチも減る。 予約状況が数字で見えると、必要な人員も時間帯単位で読めるようになり、「なんとなく多めに入れる」シフトの無駄が消えます。

よくある質問

時給を上げる余裕がありません。何から始めるべきですか?

お金のかからない順に、シフトの納得感・初日教育・ネット予約による電話削減から始めるのが現実的です。特にネット予約は無料で導入でき、既存スタッフの負担を直接減らせます。

特定技能の停止で、外国人はもう採用できないのですか?

新規の受入れが原則停止されたのは特定技能1号「外食業」です。すでに在留している人の期間更新や転職、留学生の資格外活動アルバイト(週28時間以内)は引き続き可能です。制度は変わり得るので、農林水産省の最新情報を確認してください。

省人化を進めると、サービスの質が下がりませんか?

目的は接客を減らすことではなく、接客以外の作業(電話・記帳・会計処理)を減らして接客に人を戻すことです。予約の電話対応が減った分だけ、目の前のお客様に時間を使えます。

人手不足で営業時間を縮めるのはありですか?

売上と人員のバランスが崩れているなら、定休日の追加やランチ休止は有効な選択肢です。予約データで曜日別・時間帯別の入りを確認し、利益の薄い時間帯から削るのが定石です。

非正社員の不足割合57.7%という数字は、今後も悪化しますか?

直近では改善傾向です(前年同月比4.1ポイント改善、4カ月連続で6割未満)。ただし業種別ではなおトップで、最低賃金の上昇も続くため、「楽になる」前提の計画はおすすめしません。

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